★人は忘れる、そして繰り返す(デュランダル議長)
皆さんおはようございます。
こんにちは、こんばんはです♪
話題の新作映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を鑑賞してきました。
一言で言って、まさにSEED節全開のファン大満足な映画といえます。
引用元:機動戦士ガンダムSEED公式サイトより
まさに畳み掛けるような展開は、どことなく名作「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」を思わせてくれます。
物語の約7割がスピーディーな戦闘シーンで占められており、それでいて観客が自然に物語を理解できる構成は、21世紀のファーストガンダムと称された「機動戦士ガンダムSEED」ならではのテイストです。
引用元: Yahoo!ニュースより
カラフルでテンポよく、何よりスタイリッシュな戦闘シーンは、漫画チックでもありSEEDシリーズの売りの一つです。
登場人物が語る語り口は至極単純明快で、少ないセリフから最大限の情報が引き出せるようにセンスよくまとめられています。
監督の独りよがりではなく、多くの人が物語を読み解く事のできる分かり易さは、ストレスなく作品を鑑賞する事ができる重要なファクターの一つですね。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』本予告 - YouTube
そして、何より嬉しかったのは、前作のTVアニメ第2期にあたる「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の主人公であった(はずの)シン・アスカが元気いっぱいだった事です!
巻き込まれた戦禍で家族を目の前で失った過去を持つ心の傷を抱えた戦士。
力がないと大切な人を守れないと悟り戦いに傾倒していく。
引用元:WEBザテレビジョンより
戦いの原動力は怒りであり、戦闘スタイルは力で押し切る荒々しさに溢れている。
物語前半では、その活躍ぶりや出番の多さから間違いなく主役であったが、後半に物語が進むにつれ、シリーズ通しての主人公キラ・ヤマトと敵対するヒール(悪役)の側面を覗かせる。
途中で利用されているだけだと気づき改心するかと思いきや、最終的に完膚無きまでに叩きのめされ、主役クラスであったキャラが負けて終わると言う極めて珍しい物語の終わり方で幕を閉じた。
引用元:機動戦士ガンダムSEED公式サイトより
どこか浮世離れした登場人物達の中で、感情によって突き動かされるシンと言うキャラは何だか身近に感じられます。
単純で思い込みが激しく、時に間違えた事をするけど、根は優しく本来天真爛漫なシンは、なんだか憎めない性格です。
引用元:ORICON NEWSより
思い出してください、クラスに1人はこんな子いましたよね。
なんだか放って置けないんですよ、手のかかる弟みたいで。
TVアニメ「SEED DESTINY」では物語が終わりに近づくにつれ、悩み、苦しみ、泣いている顔しか覚えていないシン。
今回の劇場版で、心から尊敬する人物との出会いを通し、その人のもとで一緒に戦う事ができる喜びで見せる笑顔は、迷いが吹っ切れたようで晴れやかです。
引用元:ガンダムSEEDシリーズ公式Xより
特に今回劇中終盤は「シン無双」と言われる位の覚醒ぶりで実に痛快でした。
それに対して、終始悩みを抱えるシリーズを通しての主人公キラ・ヤマト。
引用元:ガンダムSEEDシリーズ公式Xより
確かに組織を束ねる身になると、自分の決断1つで多くの人の運命が決まってしまうので、その重圧は計り知れないと思います。
悩まない方がおかしいのです。
優しすぎる性格の人がその立場になると言う事は、多くの運命を背負い込むことになるから余計にです。
ですが、今回のキラの悩みはそれだけに留まりません。
引用元:ガンダムSEEDシリーズ公式Xより
戦闘シーンに目を奪われがちですが、この映画のテーマである「愛し愛されること」はTVシリーズより1歩踏み込んで明確な回答を導き出しています。
1作目SEEDでは戦う意味を。
2作目SEED DESTINYでは決められた運命ではなく、自ら切り開くことこそが運命!と言う決断を。
そして劇場版であるこのSEED FREEDOMでは、心から人を愛し愛される事の喜びを高らかに歌っています。
そして作中、共に目的に向かって突き進む仲間の存在と、その仲間を信じる事の大切さが語られます。
人より優れた能力を持つものはスタンドプレイに陥りがちですが、結果孤独を抱えてしまい、自滅する事もあります。
1人じゃない!そう思える事がさらなる力を与えてくれることでしょう。
それに気づけたキラは、また1つ成長を遂げたといえます。
物語を通し、悩み、苦しみ、成長していく過程を丁寧に描くのもまた、ガンダムSEEDシリーズの特徴の1つでもあります。
そして、劇中終盤キラが手にする事ができた新たな力は、世の中から争いをなくす事ができる力を備えています。
引用元:機動戦士ガンダムSEED公式サイトより
この新しい翼とキラの優しさがあれば、あるいは…今度こそ、きっと!
そう思える物語の幕の綴じ方でした。
希望に溢れた晴れやかな物語の終わり方です。
引用元:ガンダムSEEDシリーズ公式Xより
現実世界は危ういパワーバランスで保たれており、数年前より力によってそのバランスが崩されようとしています。
昔々起こった大きな争いで、二度と起こしてはならないものと人類は学んだはずです。
争いは破壊と悲しみ、そして憎しみしかもたらしません。
引用元: GettyImages より
憎しみは、さらなる憎しみを生み、新たな火種を抱えてしまいます。
くすぶっている火種はいつか発火し、痛みを忘れた頃にまた新たな戦いへとシフトしてしまいます。
現実世界にはキラもストライクフリーダムガンダムもいません。
一人一人がキラとなって争いのない世界へと導いていく必要があります。
人々が痛みを忘れない為にも語り継いで行くこと、許す心を持つこと、まずはそばにいる人を愛する事が愚かな争いを繰り返さない初めの1歩となると信じます。
ちなみにパンフレットですが、アニメ作品、特にガンダムシリーズは一瞬で売り切れるこ事が多いのですが、おかげさまで無事ゲットできました。
(^-^)v
しかし、通常版は売り切れており、豪華版のみの販売でした。
通常版1100円に対し、豪華版は2500円もします。
その1400円分はこの設定資料集の値段だったりします。
昔から作品のムック本などが好きだった自分としては、もし通常版が販売されていたとしても、この豪華版を選んでいた事でしょう。
様々な視点から鋭く物語をえぐる見方もできる一方、流れるような映像に目を奪われ肩の力を抜いて見る事もできる作品です。
興味のある方は、映画館に足を運んでみてくださいね。